実際に、私自身に音楽療法を適用し、発達障害を改善できたときのことを紹介します。
私は、診断名こそ「統合失調症」でしたが、発達障害の方に多い、「イメージ力不足」、また「自閉症」の症状がありました。
そこで、まず、記憶のチェックを試みました。記憶のチェックで、自分で覚えたいと思う短いフレーズを30個程度書き出し、それをまずは、15個ずつ毎日思い出すという作業を繰り返しました。最初は、覚えるのも大変、思い出すのにも一苦労でしたが、慣れてくるとだんだん楽しくなってきました。また、出来ると達成感も味わえました。
これをベースに、次にカホンとドラム(練習台)を二日に一回行うようにしました。カホンは、初めて挑戦する楽器でした。最初こそ、要領がつかめなかったですが、継続して練習するうちに、脳内の神経がつながっていく感覚を覚え、しだいに慣れていくことができました。
この、脳内の神経がつながっていく感覚こそ、音楽療法の重要なところだと思います。脳内の使われていなかった部分の神経がつながっていき、こころのはたらきがかったつになっていきます。音楽は、連続して奏でなくてはいけないので、瞬時の判断力が求められることもあります。その時の刺激が脳にとっては効果的でした。
カホンとドラムの練習と並行して、音楽を聴くことも行いました。今では、メジャーの明るめの曲も好きですが、以前は、メンタル不調でもあったせいか、マイナーな曲で浸るようなときが多かったです。そこで、同質の原理より、深く感傷的な音楽をよく聴き、祈るような心持ちになるようにしました。
その後、異質の原理を用いて、すこしブルージーだけれども明るめの曲を聴き、こころを明るい状態にもっていけるようにしました。
これらの一連の作業が功を奏して、長年苦しんだ、発達障害の症状を改善させることができました。