自閉スペクトラム症の方が自分の殻を破るには | 専門のカウンセラーが解説!

query_builder 2024/05/03
自閉スペクトラム症の方が自分の殻を破るには | 専門のカウンセラーが解説!
20240429_064313

 発達障害の一つである自閉スペクトラム症には多くの方が悩まれています。本当の自分を殻に閉じ込めてしまうため、苦しく、そして本来持っている能力までも発揮できず、生きづらいものです。ここでは、自閉スペクトラム症の特徴と、その対応についてまとめてみました。


自閉スペクトラム症とは

28091714_s

 自閉スペクトラム症は、コミュニケーション障害、イマジネーション障害、同一性の保持といった困難をもたらします。


コミュニケーション障害

 他人の気持ちがうまく読み取れず、また言わなくてもいいことを言ってしまうため、相手を怒らせてしまったりします。


イマジネーション障害

 次にやるべき仕事などがイメージできず、マニュアル通りの仕事しかこなせず、自分で仕事を作ることが求められる昨今では、職場に非常に居づらくなります。

同一性の保持

 いつも同じ場所に自分の靴が入っていないと気になって仕方ない、など必要以上のこだわりが出て、時に周りの迷惑になります。


 こういった症状が自閉スペクトラム症の方に多く見られる症状の特徴になります。

虐待などの成育歴で自閉症と似た症状になることもある

 しかし、このような特徴があるから自閉スペクトラム症であるとも言い切れません。


 幼少期や児童期に親などから虐待を受け、心に深い傷を負うと、その心をそれ以上傷つけないようにしようとして、殻の中に閉じ込めてしまいます。こうして自分で自分の心を押さえつけようとすることで自閉スペクトラム症と似た特徴が表れる場合もあります。その結果として、周囲と打ち解けず、孤立し、ひきこもりや不登校の原因になります。

殻の中に閉じこもったままになる理由

20240428_055230

他人の目を気にしてしまう

 自分では、変わらなければと思っているのですが、どうやって変わればいいか分からず、また、変化の過程ではまだ自分に自信が持てず、他人にどう見られているか気になり、なかなか思い切って自分を変えるということができないということがあります。殻の中に閉じこもってしまう=自分をさらけ出せない ということです。その分、本当の自分を他人から隠してしまっているということです。その状態が長い間続いたということであれば、ますます変化を恐れるのは当然のことです。

勇気がでない

 ひきこもってしまったり、人と関わらないようにしている期間が長くなると、なかなか新しい環境へ飛び込むということができなくなります。それだけ、人と接することへの勇気が出なくなるということです。普通の人でさえ、対人関係でのストレス負荷を重く感じる時代、自閉スペクトラム症の方にとっては対人関係への壁は相当なものとなります。

同じことをすることによって得られる安心感があるから

 自閉スペクトラム症の方の特徴の一つに、同一性の保持というものがあります。これは、いつも同じことをしようとする癖です。たとえば、同じテレビ番組を欠かさず必ず見ようとする といったことです。その癖が、いつも同じ行動を取ることを良しと感じさせ、そうしていると安心するので、新しいことに挑戦しようとしなくなってしまいます。

感情的決めつけ

 自分の殻に閉じこもっていると、論理的で現実的な考えよりも、自分の感情的な思い込みの方を重視するようになります。そして、「面倒くさい」、「このままでいい」といった、現状維持を求める感情を優先させ、現実を見た、社会に適応させなければ という焦りを押し殺してしまうのです。


殻を破ることによって得られること(メリット)

20240429_064637-EFFECTS

世界が広がり明るくなる

 殻を破るというのは、その分、自分の視野が広がるということです。いろいろなことが、見えてきて、今まで、窮屈なところに閉じこもっていたことが実感できます。そうすると、今までは、世間の片隅の薄暗いところで生きていたような実感が、世間の表通りを大手を振って歩いているような明るい気持ちへと変化します。

いろいろなことができるようになる

 殻を破ると、心の今まで使われていなかった部分が使えるようになり、心の働きが闊達になり、その人が本来持っている能力が発揮できるようになります。それはまるで別世界に来たようです。そのためには、当然、普通の方が行っている努力も必要ですが、今まで努力してもまったく何も出来なかったような方でも、普通に努力すれば、やりたいと思ったことが出来るようになります。そのことは、非常な幸福感とともに充実感も味わわせくれるでしょう。

対人関係が豊かになる

 心が明るくなり、いろいろなことが出来るようになると、人は自然と外向的になります。自信も徐々についてきて、外に出て、多少何かあってもなんとか出来る! という感覚が持てるようになります。その結果心に余裕が出来、いろいろな人とのコミュニケーションが円滑に進むようになります。最初は、少なくとも少しずつ、本心が語れる友と呼べる人が出来てくるでしょう。

社会の中で生きていく自信がつく

 人と話すことが億劫でなくなってくるとしめたものです。今まで楽しめなかった会話が楽しめるようになり、自分と他人の立場を入れ替えて物事が考えることが出来るようになり、臨機応変な対応も出来るようになります。上の項でも述べた通り、いろいろな意味で、自信が持てるようになり、社会の中で生きていけると思えるようになります。

殻を破る方法

20240429_064558

記憶のチェックを続ける

 まずは、固く閉じてしまった自分の殻を破るべく、取っ掛かりを作る必要があります。それには、記憶のチェックが一番です。覚えたいと思ったフレーズをいくつか書き出し、それを覚えることをやってみましょう。それも、いったん覚えたらすぐ忘れてもいい ではなく、一つずつ丁寧に覚えて、毎日、それをそらで思い出せるように努力します。最初は、なかなか覚えられなくても、毎日繰り返していれば、いつか覚えられるようになります。根気が必要です。また、先ほども述べた通り、「自分は覚えられる」と思っていても、すぐに忘れてしまうようでは、心は闊達になりません。自分の心の奥底に響くような努力が必要です。

イメージトレーニングを行う

 イメージトレーニングを行うことも、心を闊達にするのに役立ちます。まずは無理せず、記憶のチェックで覚えた言葉の一つ一つを文字の一画ずつゆっくりイメージしていきます。最初は、全くイメージできないかもしれません。ですが、毎日、時間を決めて、ゆっくりと時間をかけて、継続して続けていくことで、徐々にイメージできるようになってきます。

小さな楽しみを見つけ変化を楽しめるようにする

 例えば、朝、散歩するようにして、その時、缶ジュースを一缶、何かその時に気分に合わせて買って飲む、お菓子をそんなに高くなくてもいいので、日によって色々変えて買ってみておやつを楽しむなど、小さなことでいいので、変化を楽しめるようになるよう工夫してみましょう。そうすることで、単調だった変わり映えのしない毎日が、徐々に楽しめるものに変化します。

丁寧さを身につけ自己肯定感を高める

 毎日、机の上を拭くことを日課にする。洗面台を拭くことを日課にする。など、最初は抵抗があるかもしれませんが、何か丁寧さを身に着けるのに直結することをするといいです。これを続けることで、その他のことをするのも「面倒くさい」と感じなくなり、作業を行うことが楽しくなってきます。無理のない、継続できる範囲内で行うのが鉄則です。

殻を破り安定していくまでのこと

 上に記載したことを継続して行っていると、徐々に、心が開いていく実感が得られると思います(必ずしも全ての人がそうなるとは限りません)。そうすると、心に明かりが灯された感覚がし、うれしくなります。しかし、安定した心の動きはすぐには手に入りません。そのことに気をつけ、上に書かれたことを地道に毎日こなしていくことです。いったん、「自分の殻を破ったぞ!」と思っても、実はまだ1/10ぐらいだったということも往々にしてあります。すぐに自閉スペクトラム症による心の殻が破れれば、誰も苦労はしません。長い時間がかかると思って努力を続けましょう。


 ここに書いたことは、一人で継続して行うには、とても苦しいものです。心のリハビリのようなもので、付き添いがどうしても必要です。この文章を書いている本人も、自閉スペクトラム症(診断のなされない時代のため、そうだったとは断言できないが(後に統合失調症と診断されてはいる))と思われる症状を周囲の助けを借りながら治していったカウンセラーです。もしよろしければ、そのカウンセリングルーム(ハーモニーオブソウル)に相談してみて下さい。きっと道が開けるはずです。

まとめ

26275272_s

 自閉スペクトラム症は、その人が本来もっている能力や長所を殻に閉じ込めてしまいます。その殻を破ることは、たやすいことではありませんが、もし、それが出来れば、今まで想像もしていなかった、広い、明るい世界が開けます。昨今は、発達障害への理解も広がり、以前に比べれば、発達障害の方も生きやすくなりつつありますが、居場所を作るのに手いっぱいで、その克服まで考えるところは少ないです。このブログをお読みになり、「自分も克服できるかも」と思われた方は、是非、ハーモニーオブソウルにご相談ください。お力になれると思います。



お問合せ